YUKIのコンサートに行ってきた。

神戸国際会館こくさいホール。圧巻の一言。

「原始、女性は太陽であった。」

以下、内容に触れたいので感想を畳みます。




会場に入ると少しスモークが焚かれているようで霧の中のようでした。そのスモークの先にオペラ座のような劇場のセット、紅い緞帳と左右にシャンデリアが置いてありました。いつもと違う開演前からの演出に期待が高まるばかり。

曲目は最新アルバムから過去のシングル曲、「プリズム」「長い夢」「歓びの種」などで多種多彩。ヴァイオリンなどストリングスがいるので前奏やアレンジなどが異なっていてまったく新しい曲のように聞こえ新鮮でした。伴奏がピアノだけの「プリズム」、ストリングスがドンピシャの「歓びの種」、ジャジーな「WAGON」、どれもアレンジがすばらしく毎度のことですがCDにして欲しい。アンコールでは9月発売の新曲と「恋愛模様」だったのですがその前に新曲のカップリングを急遽、やってくれました。

コンサート自体はアルバム「うれしくって抱き合うよ」のコンセプトに合わせて「一日」がテーマのようでオープニングの影絵に始まり、手書きのセットに合わせるような飛び出す絵本のような仕掛けが満載で目でも楽しめました。

バックバンドは通常のバンド編成にストリングスやホーン隊が加わってより伴奏が重厚になっていましたが一番聞こえるのはYUKIの伸びやかな歌声。これです、聞きたかったのはその歌声。伸びやかで力強いこの声です。

いつものように踊りながら歌う姿には神秘性すら感じます。YUKIが舞い、衣装が揺れる。「原始、女性は太陽であった」という言葉がありますが、その言葉が指す「女性」とは彼女ではないかと思いました。

私には密やかな楽しみがあります。それはアンコールで観客が歌う「ティンカーベル」のコーラス。あれを聞いているとなんだか幸せな気分になります。

単なるライブという概念を超えた「歌劇」のようなライブを見せてくれたYUKIとバックバンドにそして美しい「ティンカーベル」のコーラスを聞かせてくれた観客の方々に、私の近くで野太い声で「YUKI」と叫び続けていた彼に、厳粛な会場運営をしてくれたこくさいホールの方々に、全ての人に心からありがとうと言えるすばらしい時間でした。