ソテツだけが葉っぱを広げて太陽を歓迎しているように見える。食事量がやっと年齢に追いついてきた気がしてる。

ウィスキーの醸造責任者のように、スーパーで米の袋を指で突いているおっさん。あれはたぶんただの暇つぶしだろう。

家族が談笑している部屋の横、野良猫が家の中をひょいひょい歩いてた。猫にとっては家もかぼちゃ畑も関係が無い。

体を長時間、動かすことと太陽の下にいることが不足しているような気がする。村上春樹の本もちょうど読んだし、ランニングしてみようかと思う。

最近は余暇を読書につぎ込んでる。友人から貰った本は実に面白かった。カポーティの「冷血」を読んだのだけれどなんだか狂気というものはしっかり僕の中にも存在してうごめいているような気がして背筋が寒くなった。

風が吹き抜ける日本家屋の縁側で寝転がって本を読むなり、惰眠を貪るなり気ままに過ごした。

いろんなものを「保つ」というのはほとほと代償の大きなものだ。

それまで聞き続けていた言葉がふいに腑に落ちた。我が血肉になってくれた気がする。