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昼間に夏空みたいに晴れていたので「もう夏だな」とか「暑くなるのは嫌だな」とか思っていたら夕方、雨に降られて一人の人間では計り知れぬ大いなる自然を感じた。単に服が濡れた。

 

NHKのドラマで「植物男子 ベランダー」を見て、原作のエッセイをたまたま本屋で見つけて読んでいる。自分の領土が出来なければ植物に興味は湧かないと思っていたが万物そうであるようにちょっと興味が出れば毎日の通勤路も面白い。

 

ヨーグルトの容器が重ねてストックしてある横で容器の一つが鉢になっていたり、たちあおいの花がぼとぼと落ちていて「自分の庭の道路側には植えないでおこう」とかまだ見ぬ我が領土計画に思いをはせる。

 

花を愛でるのは年を取った証であると思う。けれど冬に備えるリスのように昔からどこかで種を見つけてはどこかに埋めたくなる。そこから芽生え、天に向かって伸びていく様を想像しては心が踊る。三つ子の魂、100まで。

 

 

ボタニカル・ライフ?植物生活 (新潮文庫)

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