数年後に発見した失恋時の日記にいろんな意味で打ちのめされる。
「必殺技」ってこれくらいの威力だろうなと思う。

窓の淵に蝉が止まっていた。クマゼミだった。
昔は蝉といえばアブラゼミだったんだけれど。

蝉って一日中鳴いていると思っていたけれどそうでもないみたいだ。

それすら気づいていなかった。夏に何を聞いていたんだろう。

頭に靄が掛かっている。ぼんやりともまた違う。
軽く寝る直前の心地よい濁った意識を常に感じる。
いろんなことが理解できないで流れいく。いいことも、悪いことも。

程よく冷えた水がこの上なくうまい。夏。

この世で一番、食事に会う飲料はなにかと聞かれたビール会社の重役が
「水だ。我々はビールを水に近づける努力をしている」と答えた。

そんなくだらない話を思い出した。

歯に染みるくらい冷えたすいかが食べたい。

話しやすい人が居た。どうしていつも彼氏持ちか人妻なんだろう。
相手の余裕に甘えているだけかもしれない。