発酵するパン生地のようにどこまでも膨らむ入道雲。
それを何故かビデオで撮影するおっさん。
高級外車の窓から放たれた風船が浮上していく。
ダニが居なくなったら蚊がいる部屋。
同居人は彼らと蜘蛛が一匹。
マリーゴールドが枯れた。
本を読む気にならない。
20年前に親父が読んでいた本を読んでいる。
本屋で新装版を見かけてなんだかしらける。
不安や後悔は水のようにちょっとした隙間から心に染み込んで来る。
本物の水よろしく隙間を押し開き、ドッと入ってくる。
それすら受け入れてやる。全部、認めてしまおう。
本当にそれ以下でもそれ以上でもないんだ。