ぬるま湯のような感じ。

よく夜更かしをするので家族で風呂に入るのが最後だった。

追い炊きもしていなくていつも人肌よりもちょい熱いくらいだった。

風呂に浸かっていると体が温まってきてぬるく感じる。

風邪を引かないうちにとっとと風呂から上がってしまったほうがいい。

でもこの妙な感じが心地悪いわけでもない。

初夏の二度寝のような、日曜夕方のまどろみのような。

世界とのつながりがうっすらする一瞬。

ここのところ、そんな感覚がずっと続いている。

なんだかずっとフェリーに乗って鉛色の海に揺られている感覚。

フェリーが着く場所がすばらしい気もするし、不安もある。
もしかしたら僕の心は鉛色の空と海を眺め続けた直江津のフェリー乗り場に佇んだままなのかもしれない。

本を読みすぎるのはよくない。少しずつ心が現実から浮きがってしまう気がする。