必要な時に無いというのは当たり前のことである。

コンビニで白ワインを買った。つまみの準備を済まし、喉に白ワインのイメージを置きいざ栓を抜こうとするとコルクだった。


部屋にコルクが抜けるものがないのは明白でコルク抜きを探しにダウンを着て外に出た。

一件目のコンビニにはやはり無く近くのスーパーへ行く。秋の夜とはいってもアヒルの羽毛は早すぎたらしく洗濯して首の伸びきったTシャツがしめる。

45L入る真っ赤な登山用バックパックを背負ったスーツ姿のおっちゃんがうろつくスーパーで栓抜きを買い出るとそこには老人のような毛色のダックスフントが明るい自動ドアの先を眺めながらヒャンヒャン泣いていて目を合わせてみるとおびえた目をするので相手をしてもらうことを諦める。

振り返るとサラリーマンが一生懸命舌を鳴らして犬にアピールしていたが犬は後ずさるだけだった。


家に帰ってコルクを抜く。

カウントダウンジャパンの大阪開催は無くなった。小さな悩みが川原の小石くらいある。それを寝る前に一つづつ拾っていくと眠れなくなる。

目を閉じ続けていれば朝になる。