何も考えなくても毎日が過ぎていく。よくないことなのかもしれないが刹那は全力なのでその結果であれば仕方がないのかもしれない。いろいろと浮かんでくることはあるが足るを知る感じでまた底に向かってブクブクと泡を吹いて不服そうに沈んでいく。平面続きの水面にぽっかりせっかく出てきてやったのに。帰れというのか。不服。

のっぺりとした水面は面白くはまったくないが安定はしている。それはそれでよしとするが物足りなく感じるのはまだ足るを知っていないからか。

それでもこの水辺に留まって波紋一つ起きない水面を眺めていられるということは自分自身がここを悪く思っていないからで。ここではないもっと何かを求めて立ち上がってすこし立ち眩みをやり過ごした後に薄暗い森に分け入ることもできなくはないがここに来るまでに荷物が多くてそんなに身軽でもない。それならばいっそのこと、このまま佇んでより多くの何かを感じることができるように全てを研ぎ澄ましていくという方向もありか。